2012年10月09日

朝田 隆先生のご講義を受けて

筑波大学 医学医療系 臨床医学域 精神医学 教授であられます
朝田隆先生が10月6日と7日に中津へ見えられました。

認知症の人と家族の会の方のご尽力で、「世界アルツハイマーデーの記念講演会in中津」
に見えられ講演していただきました。

朝田先生は認知症の早期診断・予防に取り組まれておられ、今回、生活障害に対する考察や対応について
教えていただきました。
よって講演のタイトルは「認知症、暮らしの中でどんなことに困っている?」ということでした。

記念講演は10月7日だったのですが、その前日に医師会の先生方や介護の担当の方等を
対象に「第3回もの忘れフォーラム」ということで、中津市認知症ネットワーク研究会主催で
講演会を18時~19時の間に開きました。

もの忘れフォーラムでは、医師の方々を対象とした講義でしたが、私でも十分理解できる内容で
分かりやすかったです。
 
※以下、今回の朝田先生の講演で学んだことのうち私自身が印象に残ったことです。

 「私自身が思ったことが【意欲と集中】が認知症予防になるということです。」

・認知症には「中核症状」と「BPSD(周辺症状)」があると学んできたのですが、更に加えて
 「生活動作における障害」があるということでした。
 例えば、ズボンを頭からかぶるなど・・・。
・BPSDは対応の仕方で増えたり減ったりするというが、それでも対応できないときもあります。
・HDS-Rのスクリーニングでは、3つの言葉(猫・電車・さくらだったかなあ?)を覚えてもらって
 計算をした後に再度さっき覚えたもらった言葉を思い出してもらうというところがミソ。
・100-7、さらに7を引くという計算はその二つの答えが重要ではなく、7を順番に引いていく流れが
 重要。
・認知症の根治薬は無い。14連敗中。なので、MCI(プレクリニカル)から治療・予防を始めないといけない。
・認知症に気づくきっかけで、意欲低下は重要で、長年やってきたことをやめる。例えば、
 お茶の先生やお花の先生やゲートボールを長年やってきてやめたなど。
・認知機能低下への防御としてはほとんどの方法は有用性が無く、唯一運動だけが効果があります。
 運動は週3回~5回で1回20分~60分
・30分以内の昼寝はアルツハイマー病になりにくいが、1時間以上はアルツハイマー病になりやすい。
 また、睡眠不足はアルツハイマー病になりやすい。
・記憶は寝ている間に短期記憶の「箱」から長期記憶の「箱」に移されるので受験生でも
 睡眠は適度にとる必要があります。



Posted by 中津市地域包括支援センターいずみの園 at 14:50│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。